精神科の現場で働いていると、「患者さんの暴力」に悩んでいる看護師は決して少なくありません。 今回は、私の身近なスタッフが実際に直面した出来事を通して、精神科看護師が抱えやすい葛藤と、そこから感じた現実について書いてみようと思います。
🧠 暴力リスクの高い患者さんとの関わり
そのスタッフが関わっていた患者さんは、
- 元暴力団関係者
- 薬物使用歴があり依存傾向が強い
- 妄想的な発言が多く、意思疎通が難しい
という背景を持つ方でした。
会話がかみ合わないことも多く、 少しでも対応を中断したり、患者さんの希望を急に断ったりすると、 突発的に暴力が出てしまうことがありました。
⚠️「分かっていても避けられない」危険な場面
その患者さんに対して、身体拘束は行っていませんでした。
ただ、半身不随の状態であったため、 入浴介助・更衣・移動介助など、日常生活のあらゆる場面で支援が必要な方でした。
精神科という特性上、 精神状態が不安定になることも多く、 妄想的な訴えや話がかみ合わない場面も少なくありませんでした。
十分に注意を払いながら介助を行っていても、 介助中に不意に後ろから殴られるなど、突発的な暴力が出ることがありました。
力も非常に強く、実際に強い痛みを伴うケースもあり、 そのような被害は一人だけでなく、病棟内で複数のスタッフが経験しています。
それでも、 日常生活を支えるための介助は避けて通れず、 常に高いリスクと隣り合わせの状況でした。
🏥 上司の言葉が、さらに心を追い詰める
こうした暴力の被害者が4~5と増える中で、 上司からかけられた言葉は、決して守るようなものではありませんでした。
「なんでかわせないの?」
何度も起きている出来事だからこそ、 管理職として焦りや苛立ちが出るのも分からなくはありません。
ですが、 現場で実際に危険にさらされているスタッフの気持ちに寄り添う言葉は、ほとんどありませんでした。
😞 最後に残ったのは、心の傷
結果として、 その患者さんの対応を続けていたスタッフの一人は、 暴力被害をきっかけに長期休職となり、 うつ病と診断されました。
数ヶ月後、その方は職場に戻ることなく、 静かに退職していきました。
✋ 結局、強く感じたこと
この出来事を通して、私が強く感じたのは、
「結局、自分の身は自分で守るしかない」
という、とても現実的で、でも少し悲しい事実です。
もちろん、チーム医療や組織としての安全対策は重要です。 ですが、それが十分に機能しない現場も、残念ながら存在します。
だからこそ、
- 無理をしすぎないこと
- 危険を感じたら声を上げること
- 自分の限界を自分で認めること
- 保険(組合にはいる)にはいる
これらは「逃げ」ではなく、 看護師として長く働き続けるための大切な選択だと思っています。特に男性看護師は暴力リスクの高い患者さんのもとへ介助する回数は女性看護師より多いです。
🌱 同じ悩みを抱えている方へ
もし今、 患者さんの暴力に悩みながら、 「自分が弱いだけなのでは」と感じている方がいたら、 それは決してあなたのせいではありません。
精神科看護師の仕事は、 人の心と同時に、自分の心と身体も守る仕事です。
どうか一人で抱え込まないでください。
※本記事は、特定の人物・施設が特定されないよう、 内容を一部抽象化・変更し、プライバシーに十分配慮したうえで執筆しています。



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