※プライバシーに配慮し、一部フェイクをいれています。
精神科で働いていると、

教科書だけでは説明できない出来事に出会うことがあります。
今日は、私が夜勤中に体験した、
今でも強く印象に残っているお話を書こうと思います。
その患者さんは、女性の方でした。
身体にはリストカットの痕が無数にあり、さらに火傷の痕も目立つ状態でした。
それらは、すべてご本人が自傷行為として行ったものだと聞いていました。
安全面を考慮し、当初は隔離病室での治療が続いていましたが、
治療が進むにつれて少しずつ落ち着き、
身体の傷も回復していきました。
話してみると、
その方はとても穏やかで優しそう、
どちらかというと少し気弱そうな雰囲気の方でした😊
症状が安定してきたため、
隔離解除となり、大部屋へ移動。
数日が経った、ある夜勤の日のことです。
🌃
突然、その患者さんが病棟に現れました。
今まで一度も聞いたことのないような
大きな声、荒々しい口調、鋭い目つき。
正直に言って、
「本当に同じ人なのか…?」
と背筋がゾッとしました。
それまで私が知っていたその方とは、
まったく別の人格のように感じられたのです。
しばらく激しく感情をぶつけたあと、
その方はその場にふっと倒れ込みました。
私たちが対応していると、
しばらくして目を覚まし──
そこには、
いつもの穏やかで優しい患者さんがいました。
ご本人は、
先ほどの出来事をほとんど覚えていない様子でした。
この時、
「多重人格(解離性同一性障害)というものが、
本当に存在するんだ…」
と、初めて実感しました。
精神科医療は、
他の分野と比べると、まだ歴史が浅いと言われています。
今もなお、
新しい概念や疾患の理解が進んでいる途中の分野です。
もし、こうした症状が
医療として理解されていなかった時代だったら──
「悪魔に取り憑かれた」
「呪われている」
「エクソシストが必要だ」
そんなふうに誤解されていたとしても、
不思議ではなかっただろうな、と感じます。
それほどまでに、
人が突然“別の存在”のように変わる瞬間は、
強烈で、衝撃的でした。
精神科で働くということは、
「人の心の深さ」と向き合うこと。
怖さもありますが、
同時に、
人間という存在の複雑さや繊細さを
強く感じさせられる現場でもあります。
この体験は、
私が精神科看護師として働く中で、
忘れられない出来事のひとつです🕊️
※本記事は、患者さんの特定につながる情報を伏せ、
プライバシーに十分配慮したうえで内容を一部調整して掲載しています。
✍️ 記事の最後に入れる「3行まとめ」
3行まとめ 📝
精神科では、教科書だけでは理解できない症状に出会うことがある
人が一瞬で別の人格のように変わる姿は、想像以上に衝撃的だった
精神疾患を正しく理解する医療の大切さを、身をもって実感した夜勤だった


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